豆馬亭(とうまてい、養老公園1282)から養老説教場へ向かう道の途中、北側に白山神社跡がある。白山神社跡地だけは、養老寺の地所である。神社跡には社はないが社の石積みが残っている。養老説教場への道が出来てから多少変わったと思うが、昔は松原(御林)のあたりまで養老寺の地所だった。養老説教場への道の所有は、その頃に決まったのではないだろうか。
この養老の白山神社跡地は、孝子源丞内(こうしげんじょうない)の出生地だと言われており、本巣郡史にもこの伝承は出てくる。ただし鷲巣の白山神社が孝子源丞内の出生地であるという人もいる。
鷲巣の白山神社には、大鷲が加賀の白山の大木の上に卵を産み、その卵が金銀財宝に変わり、そのお金で神社を建立したという言い伝えがある。養老公園の白山神社は、鷲巣の白山神社の神様が源丞内の夢枕に立ち、養老に財宝があるから加賀の白山まで来なくてもよい、とお告げがあったので、源丞内が父親の病気平癒を願って養老町に白山神社を建立したとされている。ただし養老公園の白山神社には、卵の財宝の伝承は残っていない。
養老公園の白山神社は養老寺が維持していたが、維持しきれなくなり、後に神社庁に登録し、養老神社に合祀したとされている。
また一説には、後谷(うらだに)に住んでいたといわれる黒田一統が白山神社をお守りしていたが、維持できなくなり養老神社へ合祀したという話もある。
現在も周辺に五輪塔など色々な物が散乱しているが、訪れる人はほとんどいない。近くに住んでいたと思われる黒田家、稲葉家などのお墓が養老寺に残っているので、その人達が白山神社をお守りしていたのではないだろうか。1940年代は、花を立てたり、お祭に行ったりしていたが最近は全然行っていない。
白山神社は歯痛の神様と言われている。豆腐をお供えして、歯痛が治まるのをお祈りする。
表示位置は白山神社跡地を示している。