養老説教場は、養老町養老公園内にある浄土真宗の説教場である。説教上の設置計画は当時の岐阜県令小崎利準に支援されたこともあり、設置にむけての募金が美濃国全域にわたって行われ、多額の浄財が集ったといわれる。
養老説教場には現在の海津市である高須藩から移築された御殿があり、高僧等を招く為に作られた。
養老説教場は養老郡の所有だが、土地は県の所有である。養老町内の浄土真宗の寺院が持ち回りで管理している。
平成22年度の報恩講は12月15・16・17日の3日間勤めた。養老説教場の報恩講にはのべ100名程がお参りする。
平成22年度の養老説教場主管代務者は禿憲正(かむろ けんしょう)氏、祖父江の楽邦寺住職である。
法話は鷹橋賢由(たかはし けんゆう)氏(池田町片山)である。
最終日の17日は御満席と言われ、3日間のうちで最も多くの方がお参りする為、バスを手配して少しでも多くの方に御参詣頂けるように配慮している。しかし、高齢化により参詣者は減少傾向にある。
17日の日程は、10:00から日中(にっちゅう)といわれる勤行(ごんきょう)の後、僧侶による法話が1時間程あり、昼にはお斎がふるまわれる。午後は、逮夜勤め(たいやづとめ)といい参詣者全員で正信偈(しょうしんげ)を唱える。
養老説教場は専従の住職がいない為、お世話方によりお華束(けぞく)などが整えられる。また募財にも回って養老説教場の維持管理に尽力している。
養老説教場では、12月に報恩講、1月に修正会、3月に永代経と追弔会、8月にお盆と夏御文(げのおふみ)と永代経、9月にお彼岸が勤められる。寺院の一年の暦は報恩講に始まり、報恩講に終わると言ってもよいほど、報恩講は真宗寺院にとっては重要な行事である。養老説教場では月命日には役員が集まり勉強会が行われる。毎月何らかの行事を行う寺院は珍しいのではないか。
報恩講での特徴的な荘厳(しょうごん)は、御内陣に牡丹の紋の幕が掛けられ、ピンク・緑に色づけされた餅を積み重ねたお華束が置かれる。その他に、親鸞聖人の伝絵(でんね)が掛けられ、僧侶が勤行をする際の登高座(とうこうざ)が置かれて厳かな雰囲気となる。
養老説教場から養老の滝へ行く道は、偕楽社開設当時に養老説教場の信者の人々が自費で作った。
その道中に桜を植えたのが渋谷代衛氏である。

Posted in 信仰, 先人, 祭礼, 行事, 養老 | Tagged , , , | Leave a comment
勤行=ごんぎょう、又はきんぎょうと読む。仏前で一定の時間行う読経、回向のこと。表示位置は養老説教場を示している。