江月樋門の周辺に杭瀬川からの水圧がかかると今でも逆水の不安があり、樋門の所に排水機をつけておかないと安全性が保てないのでは、と懸念している。樋門を下ろして長雨が降ると排水ができず農業学校（現大垣養老高校、養老町祖父江字向野地内）にまで浸水してしまう。昭和60年頃に牛舎や豚舎に水が入って牛や豚が死んだ。

牧田川改修工事の時に、国交省専属のトロッコの機関士がいた。同機関士が江月輪中内の水田から筋抜き工法により土を取り、その土を盛って江月輪中堤を築堤した。
江月輪中堤の西側に水路があり、用水の流入は小畑川の水位が下がった時には圦（いり）からバーチカルポンプで行った。
江月輪中堤防より外に玉洞寺は建っていたが、河川工事により昭和46年現在地へ移転した。また、輪中堤防改修のため、中江月の人たちの多くも堤防の下に移動した。

江月の墓地は現在よりも南にあったが現在は堤防になっている。墓地は河川工事により昭和36年（1961）現在地に移転した。

今まで江月あたりの杭瀬川の堤防が切れたことはないが、堤防が石積みになっているためかきれいな水が染み出てくることがあった。

小畑地区では、土地改良の話は無かったが伊勢湾台風後、集中豪雨により連続して2、3回浸水したため排水機の排水能力が足りないことは認識されていた。しかし、排水機増設となると費用などの問題があり常に揉めていた。
江月には5ヶ所ほど牧田川の切れた跡がある。字絵図によれば、川の側に堤が切れ土が流されてできた細長い池があった。