養老町の南直江の旧牧田川堤防(西光寺跡南)に地蔵がある。
江戸時代に大水で流れてきた地蔵を祀っているという話がある。地蔵祭り(8月の地蔵盆と同日)に、昔は西光寺の方にお経をあげてもらっていたが、平成24年現在はご近所の方にお菓子を配っているのみ。
この地蔵には以下のような言い伝えが残っている。
むかし、直江にたいそう忠義者の番頭さんがいた。ある日、番頭さんが近くの蛇池で草を刈っていると、間違って草と一緒に白蛇の頭を切り落としてしまった。あわてた番頭さんは手を合わせ、蛇に何度も謝った。しかし、急にのどが渇き、水が飲みたくてたまらなくなった。番頭さんは意識が薄れていく中で、水を飲もうとした蛇を殺してしまったことに気づき、蛇を殺してしまったことを悔やんだが、そのまま亡くなってしまった。そして、このことを知り、番頭さんを哀れんだ主人が、この場所に地蔵をたてたらしい。
この地蔵の場所は江戸時代から変わっておらず、この地域では「首から上の部分を健康に導くお地蔵さま」と伝えられている。
お地蔵さんの台座の下の四角い石に「寛政十一未年 法名釈暁圓 五月十九日」という銘があり、この暁圓という人が昔話の番頭さんかも知れない。
表示位置は西光寺跡南 地蔵堂を示している。