上之郷の地蔵盆の様子は以下の通りである。
地蔵堂の向かいの道路の脇に「南無地蔵菩薩」と書かれた旗を2本立てる。地蔵堂の中に12本位の蝋燭を立て、明かりを灯す。9時30分より浄誓寺、浄雲寺、願専寺の3箇寺の住職による読経が始まる。3名の住職が扇形に座り、要の位置に座った住職がお経をあげながら時々鉦を鳴らす。お経は3名の住職が同時に唱和する。10時頃からは各自治会長が中心となり地蔵堂の前で鉦を鳴らしながら守をする。2人1組になり90分交代で行う。
守をする人には昼と夜に弁当が振る舞われ、各戸にはお供物を配る。現在のお供物は大福が2個だが、以前は鏡餅のような堅いお餅だった。夕方になると子供達が参りに来るようになり、菓子を配る。以前は西瓜や梨など果物を切り分けて配っていた。
以前は、櫓を組み紅提灯(べにちょうちん)を吊るして明かりを灯していた。また、昭和35,6年頃まではプロの浪花節の興行を呼んだり、昭和40年代頃までは浄誓寺の境内で映画の上映会を催していた。昭和の終わり頃までは夜9時頃まで行っていたので、夕飯を食べて浴衣に着替えてから参りに行った。
日にちも、8月24日に行われていたが、生活スタイルの変化により24日より前の日曜日に行うようになった。一日がかりで執り行うことは以前から変わっていない。
表示位置は上之郷の地蔵を示している。