栗笠の虫送りについては戦前から戦中くらいまでは行っていたが、今は行っていない。
大野も昔は虫送りを行っていたが、今は行っていない。畦道を70~80cmの松明を燃やし、大野から酒を飲みながら北上して虫を送り、烏江落(大野区字北川並地内)で松明を放りいれた。昭和20年の8月頃の終戦前頃まで行っていた。
虫送りとは異なるが、誘蛾灯は昭和30年頃まで使っていた。
大野の伊勢参りは今は行っていない。昭和の終わり頃、一年の間に村内で13名が亡くなったことがあった。その時は区長他3役が実費で駒野から伊勢参りに行った。その後一時期区費となり、平成22年現在は南宮神社でも伊勢神宮でも参れば一緒、ということになり、伊勢参りがなくなった。
下笠の伊勢代参は今も行っている。昔は、行きは百姓の格好で卵を持って行き、途中で路銀の足しにした。戻りは卵を売ったお金で紋付、袴に大小を差して帰ってきた。
素戔鳴(すさのお)神社には伊勢大神宮、伏見稲荷、南宮、牛頭天王の4神が祀られており、代参ではそれぞれに参りに行く。伏見稲荷は2名、伊勢は2名、南宮は以前は代参であったが、平成10年頃からは養老から近いのでその年の神社の世話役全員、牛頭天王の津島は東の36軒を4つの班(東、西、南、中)に分け、代表が1名ずつである。
伊勢大神宮のお札は800円ずつ払い、神社総代が配る。伊勢の御垣内参拝( みかきうちさんぱい )はせず、一般参拝のみ行う。