小坪の神明神社の祭神は天照大神である。神明神社の前に道標らしきものがあるが、おそらく移動されており、元の位置は不明である。
根古地は部落が江ノ橋組、北組、南組、西組の4つの組に分かれる。春の例祭を根古地水防倉庫南約100mの秋葉神社で4つの組全体で行い、秋の例祭を五三排水機場から南約160mの秋葉神社で江ノ橋組が行う。秋の例祭は9月の第2日曜日に行うが、春の例祭の日にちは不明である。
天照寺は1600年頃にこの地に移ってきた浄土宗の寺である。門徒は30軒あり根古地では2軒のみである。総代は瑞穂地区大代(おおじろ)のA氏であり、またA氏と共に移ってきたB氏が分家して十数軒の門徒を広めた。
浄土宗は法然が開いた武家の宗教である。浄土真宗と違い「正信偈(しょうしんげ)」は読まないが「浄土三部経」と「阿弥陀経」を読むのは浄土宗も浄土真宗も同じである。
天照寺は薩摩義士と関連が深い寺とされている。昭和34年の伊勢湾台風の水害を契機として翌35年に浄土三昧に隣接する県道今尾-小倉線の改修が行われた。その際、薩摩義士の遺体が納められた甕が発見された。甕が掘り起こされるまでは何も墓標はなかったが、口伝えで薩摩義士の甕がその辺りに埋まっていることは分かっていた。
薩摩義士に関連する天照寺の過去帳や甕などは養老町の文化財指定を受けている。
小坪に渡船場があった。小坪の神明神社拝殿前に、この付近に船着場があったことを示す道標があり、「南 いせ舟■ ■たにぐみ■」と書かれている。