一色では班で地蔵盆を執り行っている。地蔵堂をお守されているのは近隣の10軒である。地蔵盆の参加者の話では昭和初期には今と同じ場所に、すでにお地蔵さんが祀られていたようだが、それ以前のことやお地蔵さんの由緒については不明である。
以前はA氏が一人で守をされていた。現在地蔵堂が面している道路はおよそ1980年頃には舗装されておらず、砂利道だった。路面は現状から1mほど低く、地蔵堂もその高さにあった。地蔵堂の西を走る近鉄の踏切の高さは変わっておらず、砂利道の当時は地蔵堂から踏切までの5mくらいが急な上り坂になっていた。その後、道路が舗装されるに伴い嵩上げされ、地蔵堂も現在の高さになった。
地蔵堂の4隅に直径1cmほどの穴が開けられており、以前はそこに棒を立てて地蔵堂の周囲に10数個の提灯を吊るして囲むようになっていた。水道工事の関係で地蔵堂の土台の一角を削られてしまったため、今はお堂の前に4張りの提灯を灯すだけになった。
昔から8月24日に地蔵盆を執り行ってきて、法要を西林寺の住職にお願いしている。今回は都合がつかなかったため浄徳寺の住職にお願いした。地蔵盆の法要自体は15分程度で終了し、その後は地蔵盆の参加者が軽い酒宴を行う。現在は地域に若い人がほとんど残っていないが、平成当初には子どもたちが多く参加していて、お菓子を配ったりしていた。2011年現在、一色地区で地蔵盆をやっている場所はここだけである。

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表示位置は一色の地蔵を示している。