栗笠の観音堂は養老町栗笠にある市神(いちがみ)神社付近にある、創建年代不詳のお堂である。そこには「おもかるさん」と呼ばれる1体の石仏と、「西国三十三ヶ所」に由縁のある33体の石仏が安置されている。これらの石仏は、もともと栗笠湊の近くに並んでおり、漁師や船頭さん達の信仰の対象だった。しかし、湊が衰退してしまったため、現在の位置にお堂を造り、安置することになった。そして、ここに安置されている「おもかるさん」を願いを念じながら持ち上げ、軽く持ち上がれば願いが叶い、重く持ち上がらなければ叶わない、という言い伝えが残っている。地元の方の話では、伊勢湾台風の行方不明者を捜す時に、「おもかるさん」にお願いしたところ、御利益があり発見することができた。村辻にある地蔵のような存在で外から入ってくる不浄から村を守る役割をしている。
表示位置は栗笠の観音堂を示している。