五日市のお葬式の形態は簡略化されてきた。自宅葬ではお内仏があっても代本さんを飾る。お通夜には村中が集まった。祭壇と、人が集まる所、最低でも2間続きで無いと場所がとれないので、最近の家では自宅葬は難しくなってきた。五日市ではお寺葬も最近2件あった。
昔は35日の法要の後に礼呼び(れいよび)をやった。今は法要とまとめてすませてしまう。
故人を偲び、生前の話をしながら葬式を執り行う形が失われてきた。
野帰りの勤行(ごんぎょう)で、白骨の御文は住職が読む。
昔は仏教用語で、説教をされても良く分からなかったが、現在は事例を交えるなど分かり易く話をしてくれる。
礼呼び=浄土真宗では葬儀の後、7日目ごとに49日まで法要を行う。最近では1回目の法要(7日目)の時に葬儀で世話になった人々を呼んでお礼をする礼呼びを行っているが、聞取りでは5回目の35日目で行っていたことが分かった。
白骨の御文=本願寺の蓮如の手紙ふうの法語。朝に紅顔を誇る人も夕べには白骨となると、人間の無常を説き、念仏を勧めるもの。
勤行=ごんぎょう、又はきんぎょうと読む。仏前で一定の時間行う読経、回向のこと。
表示位置は五日市の三昧を示している。