柏尾寺は養老町柏尾にかつて存在した寺であり、山号は柏尾山であった。寺跡は昭和37年岐阜県史蹟に指定されており、付近から出土した石仏千二百余体を集めて祀った千体仏がある。
高田の安田笹市(やすだ ささいち)氏が、夢で柏尾寺跡に梵鐘が埋まっているとお告げを受け、周辺の住民を動員し掘り起こしたところ、梵鐘はなかったが石仏が多数見つかり千体仏として祀られるようになった。最初は夢のお告げを主張する笹市氏をからかう者もいた。当時の様子を歌にしたものが、近藤敏雄氏が柏尾寺についてまとめた書類の中にある。柏尾の地蔵盆には安田笹市氏の孫に当たる鷲巣の安田氏が現在も家族で参られる。
現在でも柏尾の周辺の山を掘ると石仏や五輪塔が出てくる。宿坊もあちこちにあったのではないかと考えている。
柏尾寺の阿弥陀堂に安置されていた座像が2010年現在、滋賀県彦根市の竜潭寺(リょうたんじ)にある。裏書に柏尾寺の名が入っている。なぜ彦根に移ったのか、経緯は不明である。

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表示位置は柏尾寺を示している。