西岩道の地蔵盆は西岩道の三昧(墓地)に安置されている六地蔵にて毎年8月24日に執り行われる。西岩道では1月の初地蔵は行われない。地元では三昧を守ってもらう為に六地蔵は置かれていると伝わっている。六地蔵について、6体の小さなお地蔵様が並ぶ中心に大きなお地蔵様が2体あるがその理由はよく分からない。お地蔵さんの後ろに何々地蔵と書いてあるかもしれない。地蔵堂の奥に「昭和七年九月六地蔵建立」と記された板があるが、昭和7年(1932)にお地蔵様が安置されたのか、地蔵堂が完成したのかは不明である。西岩道の地蔵盆は地域の幸せを祈り、先祖のいるお墓で先祖に感謝するという意味があるらしい。

西岩道の村の中心から南の方は南組、長顕寺周辺は中組、北の方は北組と呼ばれている。西岩道では神社や祭りを担当する組、お地蔵様の世話を担当する組、休みの組に別れて一年ごとに順番に交替する。2015年の地蔵盆は南組が担当しており、北組は神社の総代、中組は一年休みである。地蔵盆は役員さんが朝の8時から準備を始める。盆提灯を飾る枠は普段は長顕寺に預けてあるので軽トラで運んで来る。朝はまず提灯の枠を立てたり、お花を飾る等の準備をして、夕方の5時からは提灯を飾る。昔は赤白の盆提灯を飾っていたが、燃えてしまってだんだん数が少なくなってきたので、10年程前に新しく水色の盆提灯に新調した。現在地蔵盆において提灯は灯されないが、提灯を飾る風習自体は残っている。お地蔵様に供えるお花は、役員が各戸を回って頂いてくる。

西岩道の地蔵盆では村内にある長顕寺の住職に御経を上げてもらう。地元の方によると地蔵盆で上げられていた御経は長かったので三部経ではないか。仏説感無量、仏説無量受経、仏説佛声阿弥陀経の流れ、最期に正信偈である。2015年は正信偈はなかった。地蔵盆で上げられるお経はお寺さんや地域差によって異なるのではないか。

お参りして下さった方にお供えのお菓子をお下がりとして配る。地蔵盆は5時から30分程度で終了し、昔から時間は変わらない。昔は墓地が人でにいっぱいになる程のお参りがあった。地蔵盆は夏休みに行われるが、昔に比べると地蔵盆にお参りする子供の数は減った。今は子供の数自体が少ない。2015年現在、小学生は6人程しかおらず、中学生を合わせても7~8人くらいである。広幡小学校も昔は300人程の児童がいたが、現在は100人ほどである。

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表示位置は西岩道の墓地を示している。