新年の互礼会は県事務所、警察署、町役場、消防署、農協、町議会等の幹部クラスが新年の初顔合わせをする儀礼会である。総勢200人以上の大会合で、かつては高田町の公会堂で行われていた。
新年の互礼会には置屋、妓芸組合のサービスで芸妓を出していたのであろうと思う。互礼会には必ず行かなければいけなかった。若い芸妓はみんな新日本髪を結って行ったが、その時の美容院代は自分持ちだった。元旦に互礼会に行かないといけないので、紅白歌合戦が終わったくらいに美容院を予約しておいて髪を結ってもらった。そうするともう寝られないから大変だった。昔は美容院も年末は徹夜で営業していたほど忙しい時代があった。四十何人の芸妓が一度にばっと集まるとそれは見事だった。互礼会では、当時5千円くらいのご祝儀が出た。
昭和50年代頃からは新年互礼会に芸妓さんが呼ばれることはなくなり、昭和53、4年(1978、79)頃に花柳界入りしたA氏は新年の互礼会には参加した経験がない。