村上弁二氏の随想によれば、養老町の養老公園の高林(=白石官林、白石住民は御林と呼んでいた)の中央にあたる地域を昔から天狗の小場(てんぐのこば)と呼んだ。天狗の小場の中央に明治初年まで小さな祠があり、地元の人は元宮と言っていた。元宮から西方へ200m離れた地点を香月屋敷(こうげつやしき)と呼び、屋敷跡らしい形跡が残っていたが昭和21年頃の開墾ですっかり跡形が消えた。
香月屋敷のあった場所は、養老ランド(養老1155-2 )の入口あたりだろう。
香月屋敷の当主は、中世に養老寺を守っていたお坊さんであった。織田信長に焼き討ちされた時に捕えられ打ち首になったと伝えられている。伊勢街道から岐阜県こどもの国(養老町高林1298-2)に入る滝谷の北側の角に、昔は首切塚という地名があった。そこで香月坊が打ち首にされたそうだが、2012年現在は跡も残っておらず誰もそのことを知る人はいない。

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表示位置は香月屋敷があったと思われる場所を示している。