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象鼻山20・36号墳の調査成果の公表について。
2010.11.24
象鼻山20・36号墳の発掘調査について、まとまった成果が得られたため、それらの成果を公表しました。
その概略は以下のようなものです。
① 象鼻山20号墳が約16mの方墳、象鼻山36号墳が約20×17mの方墳であること。
② それぞれの墳墓から出土した土器により、20号墳が2世紀後半頃(廻間Ⅰ式前半)、36号墳が2世紀中頃(廻間Ⅰ式初頭)に築造された可能性が高くなったこと。
③ どちらの墳墓も、大規模な整地を行った後に墳丘の築造を開始しており、象鼻山古墳群の他の墳墓とよく似た築造方法を採用していること。
この結果、象鼻山の中腹に位置する象鼻山20・36号墳も、山頂部の墳墓とほぼ同時期に築造されたことが明らかになり、象鼻山古墳群が、1号墳を例外として、西暦2世紀後半頃に一斉に計画的な造墓を進めた遺跡であることが明確になってきました。
このようなあり方は、一つの地域の有力集団が代々の統率者を継続的に葬るという一般的な古墳群とはかけ離れたもので、どうやら象鼻山は複数の集団の有力者を埋葬する共同墓地であった可能性が高いようです。
これらの成果の周知を目的として、象鼻山20・36号墳の発掘調査現場を公開し、現地説明会を開催します。日程は、平成22年11月27日(土)午後1時から午後3時までで、小雨決行、雨天の場合は中止です。ふもとに駐車場を用意しておりますので、係員の指示に従って駐車してください。
また、全体の調査終了後、平成23年2月11日(金・祝)に、石野博信先生(香芝市二上山博物館館長)、宇野隆夫先生(国際日本文化研究センター教授)、赤塚次郎先生(愛知県埋蔵文化財センター副センター長)をお呼びして、象鼻山古墳群シンポジウムを開催します。さらに当日は、象鼻山古墳群で出土した遺物や、この象鼻山古墳群の形成に深く関わった日吉遺跡の出土品も展示する予定です。
会場は養老町民会館(養老町石畑483-2、0584-32-1281)です。
現在、象鼻山の山頂は紅葉も見頃で、今週末の現地説明会は古墳以外もおすすめできます。
ぜひ、象鼻山に残された2世紀の風景を見に来てください。
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