11月3日（日・祝）、本巣市民文化ホールにて、室原文楽の上演がありました。
前週に引き続き2週連続での上演ということもあり、保存会の皆さんの雰囲気も盛り上がっていたのですが・・・
当日の朝、出演予定の1人が体調不良によりお休みされることになり、急遽代役を割り振る中で、随行していた私も「鈴」を担当させてもらえることになりました。

上演外題は「傾城阿波の鳴門　巡礼歌の段」。
両親を探して西国を巡礼している女の子「お鶴」が鳴らす鈴の音を、舞台裏で「チリン、チリン、チリン・・・」と鳴らす役です。
室原文楽の人形は片手で扱える小さなものなので、鈴は舞台裏から別の人が鳴らします。

単純な動作かなと簡単に考えていたのですが、いざ鳴らしてみると連続して鈴を鳴らす場合、鈴の中の重りがクルクル回ってしまいはっきり音が鳴らず、とても難しいことに気が付きました。
保存会の方にコツを伺うと、
大切なのはお鶴の歩みをイメージしながら鳴らすこと。
そして、
1度目はお鶴がだんだんと近づいてくる様子が伝わるように、徐々に音を大きくしていくこと、
2度目はお鶴がだんだんと遠のいていく様子が伝わるように、徐々に音を小さくしていくこと。

2度のタイミングを間違えず音を鳴らすことに精一杯だった私には、保存会の方のような遠くまで響き渡る美しい音を鳴らすことは出来ませんでしたが、貴重な経験となりました。
次回上演の際には、保存会の方が鳴らす鈴の音を、ぜひ耳を澄まして聴いてみてください。