History 歴史
獲物に命中しなかった矢
象鼻山山頂を発掘調査すると、縄文時代の矢じりが見つかります。しかし、矢じり以外のものはありません。そのため、縄文時代の象鼻山山頂は狩りの場であったことが伺えます。そして、ここで見つかる矢じりには、折れているものと、全く壊れていないものがあります。矢じりは一つ一つとても丁寧に作られています。そのため、まだ使えるものを、簡単に捨てるとは思えません。このことはおそらく、獲物をねらった矢が、的をはずれ、なおかつ先端を失ってしまった結果ではないかと考えています。壊れていない矢じりの発見は珍しくなく、縄文人にとっても、獲物を捕らえることは簡単ではなかったようです。
参考資料
- 養老町教育委員会2010『象鼻山古墳群発掘調査報告書ー第1~4次発掘調査の成果ー』