Cultural Properties 文化財
直江・杉野家文書
- ■指定:養老町指定文化財
- ■種別:有形文化財
- ■種目:古文書
- ■時代:江戸
一)地租改正関係文書
明治政府は安定した歳入を得て、国家財政の基礎を確立するため、明治6年(1873)から地租改正を行いました。そのため、地租課税の基準となる地価の決定、税率の決定などにつき政府と地主側とが対立し、明治政府をゆすぶる大問題となりました。各地の地主層は共同戦線をはり政府への反対運動や陳情に奔走しました。杉野文書には当時の政情を知る書翰など多くの資料が保存されています。
二)覚(倹約命令書)
正保2年(1645)のものと思われますが、高須藩が任命した代官衆に出した命令書です。
1、今年の御物成(年貢米)は必ず完納すること。
2、百姓が村から逃げ出さないように気を付けること。
3、郡奉行からのいい付けを油断なく守ること。
など、百姓に対する厳しい行政をするよう、代官衆に命じています。常葉六郎左衛門・伴与惣兵衛・福井新左衛門は高須藩の重臣です。
三)在々仕置之覚
小笠原貞信が寛永17年(1640)に高須藩主になると直ちに出した行政規定です。幕府がキリスト教の禁止および倹約の奨励を重要な政策としていた時代を反映して、①キリシタン訴人の奨励 ②礼物の禁止 ③訴訟はお城の目安箱へ指上げること ④諸勝負事を厳禁する ⑤竹木をみだりに伐採しないこと ⑥はしり百姓の厳禁 ⑦年貢皆済以前に出物・つるべものの停止などを規定しています。脇屋金右衛門・朝倉求馬・根岸甚右衛門は高須藩の役人です。