養老町史によると、養老町には84の仏教系寺院(法人)があり、このうち63が浄土真宗の真宗大谷派である。
同派は、京都の東本願寺を本山とすることから、通称「お東さん」とも呼ばれる。養老町の浄土真宗寺院の多くは天台宗から転派した。
自分だけの力で悟りを開こうとする天台宗の“自力”に対して、浄土真宗は“他力”を教える。“他力”とは阿弥陀如来の本願力のことで、“自力”を達成できない庶民でも本願力によって救済されるとした。室町時代の後期に蓮如上人が、庶民でも教えを聞くことのできる場を設け、親鸞の教えを分かりやすく説いたことで、急速に広まったとされる。この時代、養老町の天台宗寺院の住職たちもまた蓮如上人の教えを聞いて、転派(てんぱ)を決心し、親鸞の教えと庶民をつなぐ橋渡しとなったのであろう。

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表示位置は景陽寺を示している。